ロッキードSR-71ブラックバード 偵察機

第三編集局

 東京のりもの学会では「公共交通・旅行」について扱うこととなっているため、本機のような軍用機は範疇外ではありますが、同じジャンルコード609のうち「ミリタリー」に属しますし、71という数字の付く乗り物ということで、この偵察機についての単なる紹介記事を書くのも面白くないので、あまり深く考えずにつれづれなるままに書いていこうかと思います。暫しの間、お付き合い下さいませ。

 私もかつては男の子でしたし、小学生ぐらいの頃には軍事関係の軍用機やら軍艦やらに興味を持っていた時期がありました。幼心にはそれらが人を傷付けるための「兵器」であるということは考えず、純粋に「格好良い物」として憧れの目で見ていたものですね。自分の場合には専らの興味は軍艦にあり、主に旧日本海軍あたりの戦艦やら航空母艦やらのプラモデルを作ったりもしていたものでした。軍用機についても多少の関心はあり、F14トムキャット(最近米海軍からは引退しましたが)が好きでした。可変後退翼というメカニズムは子供心にはなかなかソソるものがあり、個人的にはF-15イーグルよりも好みであったりします。
 偵察機という分野の軍用機は基本的に攻撃するための兵器を搭載していないということもあり、戦闘機や爆撃機などに比べるとどうしても地味な物であると言いますか或る意味目立ってはいけない物です。それらの中ではSR-71というのは飛び抜けて有名で、私が幼い頃には唯一知っていた偵察機であったでしょう。って、今でも偵察機としてぱっと思い付くのは本機以外にはU-2ぐらいなのですけれども。勿論、黒い機体とデザイン、そして最高速度マッハ3という性能ぐらいは当時から図鑑などから知っている事柄でした。

 さて、時は流れて現在に至り、こうしてSR-71についての記事を書こうとしている私が居る訳ですが、現在はWeb上にその手の情報が転がっているというのは非常に便利なところです。鉄道ネタや軍事ネタはWikipediaが記事の正確さはともかくとしてとにかく便利であり、SR-71についてもなかなか充実した記事が掲載されています。今これを見返してみると、幼い頃はあまり考えなかったような項目として大きさというのがあります。SR-71は全長約33m、全幅が約17mもあり、ジャンボジェット機ことボーイング747が全長約70mであるということからこの半分の長さであり、F-14やF-15が長さ約19mであるという事と比べてもかなり大きな機体です。本の知識だけではそういうイメージもわかりにくかったのかもしれません。

 かつて存在した「地平線の雨」
http://www.tiheisennoame.net/
というサイトにはSR-71をはじめコンコルド、F-14、XB-70ヴァルキリーなど幾つかの航空機についての非常に詳しい記事がありました。現在はこのサイトは無くなっているのでInternet Archiveから探し出したのですが、改めて見てみると非常に興味深いものです。SR-71はとにかく運用が非常に難しい機材で、一回のミッションに2,400万円掛かるともあります。また離陸前のエンジン始動などからミッション、そして着陸してその後に至るまでの手順もこれまた非常に面倒で、「スクランブルは不可能」とも書かれています。この他にも技術的な事から政治的な事柄などまで、SR-71を巡る様々な事が非常によくまとまっており、また他の機種についても非常に興味深い記事ばかりですので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。

 そんな訳で、同じ飛行機を見るのにも単に「速い、格好良い」という見方であった幼い頃から数十年のブランクを経て今になるとまた新しい発見があるものだな~と感じさせられたものです。って、いいトシこいてコドモの頃と同じ見方であったならばそれは成長が無いという事になってしまうのですけれども。


QDATトップ過去の作品を訪ねてロッキードSR-71ブラックバード 偵察機カタログ「鉄っぽい本22」

Published on 2006/12/30 / Last updated on 2019/08/01
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